【家計改善(Before→After)】夢は海のある生活 年収1,500万円世帯の危険な現実

Bさま宅はご主人(世帯主)の収入が平均よりも高く、1,500万円あります。

数年前に家を新築したものの、5年後にひかえた退職後は夫婦で海が近い鎌倉に住むのが夢だそうです。

物件を見てみると金額は4,000万円ほど。

今後どのようにしたら理想を叶えることができるのか、今の現状からみていきますね。

1.現状は?

Bさんのご家族は世帯主(旦那さん)55歳、奥さま41歳の夫婦2人暮らしです。

奥さま(配偶者)は専業主婦ですが、夫婦2人暮らしなので子どもの教育費を心配することもなく何の問題もなさそう・・・

と、思いきや収入のほとんどを使い切っているうえに貯金もそれほどありません。

どうやら住宅ローンと転勤先のマンション賃貸料が重なっていることや、ひんぱんな外食やショッピングが原因のようです。

・年間の収入は 1,500万円

<Bさま宅の収入>

・毎月の支出は 58.8万円

<Bさま宅の家計>

毎月の支出のほかに

毎  年
・住宅ローン(ボーナス払い分) 20万円×2回
・重量税(車2台分) 8万円

2年に1回
・車検(車2台分) 15万円

があります。

・このままいくとこの先どうなる?

キャッシュフロー(収支の流れ)のチェックをスタートさせたときの貯蓄は約1,000万円あります。

固定費Aを除いた生活費は、退職するまでが月々32.6万円、その後が月々27万円としています。

するとつぎのグラフのようになり、世帯主が72歳のときには資産がマイナスになります。

※旅行や病気などの突発的な支出は入れていません。

<Bさま宅の貯蓄残高推移>

 

・収入と支出をチェック

<Bさま宅の年間収支>

退職金を元手に住宅ローンを一括返済する予定です。

世帯主が61歳で退職するとその後は収入よりも支出が多くなっているのがわかります。

2.危ないポイントはここ!

①世帯主と配偶者の年齢差と年金
②世帯主退職後の収入がない
③生活費が高すぎる

①世帯主と配偶者の年齢差と年金

平均寿命は男性が81歳、女性が87歳ということは平均で女性が6歳長くなっています。

女性が14歳若いご夫婦の場合、男性が他界してしまったあとも20歳も長生きする可能性があるということになります。

このときの生活費を年間252万円(月々21万円)としても年間約120万円のマイナスになり、20年間では約2,400万円足りません。

 

予想される遺族年金額は65歳までが133.16万円(月々約11万円)です。

65歳以降は配偶者本人の年金をたしても152.64万円(月々約12.7万円)となります。

そこからさらに税金や介護保険料などもひかれるので年金だけで生活していくのは厳しいのが現状です。

 

<Bさま宅 配偶者(奥さま)の遺族年金の受取予想>

②世帯主退職後の収入がない

退職後から貯蓄を切り崩す生活が始まってしまいます。

すると72歳のときには貯金もなくなります。

③生活費が高すぎる

何といってもいちばんの問題点は生活費が高すぎます。

ご本人たちにも心当たりがあるらしいのですが、ご夫婦ともに「生活レベルを下げたくない」という考えでした。

休日は買物や外食が当りまえということもあり、家計に負荷がかかっています。

3.ここを見直し!

・世帯主60歳~65歳まで年収700万円
・配偶者42歳~75歳まで年収240万円
・数年前に新築した家を月13万円で賃貸する
・鎌倉の物件は退職金で一括払い

これらをすべてクリアできると、<After>のようになります。

<Before>

 

<After>

 

このご夫婦はもともと働く意欲が強くあり、奥さまもすでにその準備や努力をされているのでこういったプランも夢ではありませんね。

4.まとめ

こちらの場合は節約というよりもモチベーションを上げて収入を増やすことに前向きなご家庭でした。

ご主人側の家系にはこれといった病気がなく長生きであることも自信になっているようです。

ただしこれは病気や介護などの突発的な支出がない場合なのでもちろんこの通りになるとは限りません。

ご主人のパフォーマンス維持のためには今と同じペースで外食などのストレス発散も必要とのこと。

奥さまの収入が安定してきたら月々の運用資金4.5万円を6.5万円にするなどして、老後の資金づくりにあてていただけるともっと良いと思いますよ。

 

 

 

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佐藤ひろ美。ファイナンシャルプランナー(AFP)・資産形成アドバイザー。 栃木県宇都宮市を拠点に活動。生きていくうえで必要なお金と、精神的豊かさの両立を実現するライフプランをエスコート。キャッシュフローをもとにひとりひとりに合った運用対策を提案し、この先もずっと安心して暮らせるように家計を改善します。