外貨建て保険は怖い?!販売員が怠った説明義務とは?豪ドルの過去にも注目!
「外貨建保険」は「高金利の資産運用商品」として年々人気が増してる半面、「損する」「怖い」というようなネガティブなイメージを持っている人もたくさんいらっしゃいます。
販売側の「説明不十分」から「資産が減ってしまった」ために苦情が増え、2018年の12月ごろから新聞やメディアで取り上げられていることもしばしばですね。
ここではなぜ苦情が増えたのか、「4つの説明不足」と「資産を減らした豪ドルの悲劇」をお伝えします。
目次
1.4つの説明不足
資産を減らしてしまった原因の多くは説明不足にあります。
【説明不足①】契約時に手数料がある
外貨建保険を大きくわけると「定期払」と「一時払」の2つのタイプがあります。
そのうち「一時払」タイプの外貨建保険では商品によって契約時に0~10%ほどの手数料がかかります。
つまりこの手数料を差しひいた金額が運用されます。
全額運用にあてられると期待していた方にとってはショックですよね。たとえば100万円支払って90万円しか運用されないとしたら10万円がその時点で目減りしてますもん。
それを積立利率 年3%で運用すること10年後、単純計算すると元本90万円と元本100万円では元本90万円のときの方が約14万円少ない受取金額になってしまいます。
【説明不足②】解約時に手数料がある
10年以内に解約すると手数料がかかってしまいます。
これも商品ごとに手数料の割合はまちまちですが、契約日から経過した年数によっておおよそ0.5~10%前後です。
それを知らずに10年以内に現金化するとここでも資産が減ってしまいます。
【説明不足③】解約時に影響するもうひとつのリスク
外貨建保険にある「市場価格調整付」の商品にも気を付けてくださいね。
「契約時の積立利率」よりも「解約時の積立利率」が高いときには資産を減らしてしまいます。
なんとなく逆のような気がするでしょう?
かんたんにいうと需要と供給のバランスが影響するからです。詳しくはこちらから↓
【説明不足④】払込と受取のタイミング
「為替リスク」というのはなんとなく聞いたことがあるかもしれません。
円と外貨を交換する外貨建保険は払込は「円高」で、受取は「円安」でするのが基本です。
一時払の外貨建保険では払込のタイミングが一度しかない分、そのときの為替レートが大きく影響し、もし円で保険料を支払うときに円安だったら損する可能性が高くなっちゃいますよ、、
販売中心でそのような説明がされていないのは問題ですよね。
対して定期払の外貨建保険では、払込期間を長くすることで為替リスクを分散させる「長期分散投資」ができます。
2.資産を減らした豪ドルの悲劇
オーストラリアは先進国のなかでも高い金利が人気の通貨でした。2008年5月の長期金利は6.5%もあったんですよ。
今でも一部で人気ですが、2008年のリーマンショックを機に大きく低下しつづけ、豪ドル建で運用していた方々の資産は大打撃を受けましたね。
その結果、外貨建は「危ない!」「怖い!」といったネガティブな印象にますます拍車をかけてしまったようです。
・オーストラリア経済を揺るがすおもな要因は?
●資源価格の変動
資源大国オーストラリアの経済は6割を資源の輸出に頼っているので資源価格が変動すると貿易に大きく影響します。
●中国をはじめとする世界経済
輸出先は中国がもっとも多く3割を占めています。そのため中国の政治・経済に影響を受けやすいという弱みがあります。
こちらも参考にしてみてくださいね↓
”豪ドル”はどんな通貨?豪ドルの4つの「魅力」と致命的な「弱点」を解説!
・なんだかんだで安定的な米ドル
リーマンショック後、中国のGDP(経済成長率)は下がり続け、トランプ政権になってから貿易摩擦の影響で経済だけでなく政治も不安定になっています。
直近の政策金利をみると
・日本:ー0.10%
・アメリカ:2.25~2.5%
・オーストラリア:1.50%
となっており、かつて高い金利を誇ったオーストラリアは低く、中国やアメリカの動向をみても回復するにはまだまだ時間がかかりそうです。
なんだかんだいってもアメリカの安定感は強いですね。世界一の基軸通貨でもあり、経済大国でもあり、そうかんたんにブレません。
3.それでも外貨建保険をオススメするわけ
おさえるべきポイントを知ると外貨建保険は思っている以上にかんたんですし、上手に活用することで目標にしている金額をかしこく貯めることができます!
でも知らないままはじめると大損する可能性もあります。
説明義務を怠るなんて販売員としてほんとに頭にきますが、残念ながらいなくなることはないんでしょうね・・・。
うまい話には必ずデメリットもあります。販売員に利用されるのではなく逆に商品を活用してほしい☆
しっかり納得したうえで契約してくださいね。
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